意外と知らない!〜着物の衿についての基礎知識〜
- 振袖
- 2020.01.24
着物を着たときに、パッと目に入り、意外と重要な衿の部分。
衿にも半衿があったり、衿を合わせる時は右左どちらが前なのか、結構知らないこともありますよね。
着物を着るタイミングで、衿について知識があると役立つこともあるはず。
そこで今回は、着物の襟についての基礎的な部分をご紹介します。
【着物の衿についての基礎知識】
〇衿と半衿はどう違う?
衿と半衿の違いは、着物に最初からついているか否かです。
衿は洋服にもあるように、首を回って体の前面にまで伸びた長方形の部分を指します。最初から着物についているもので、後から取り外したりはできません。
それに対して半衿は、後から長襦袢に縫い付けるもの。
また、縫い付けた後に1~2回ほど着たら取り外し、洗濯して汚れを取って再び縫い付け、何度も付け替えできる衿が半衿です。
半衿はすべての着物に必要な衿なので、着物を着る場合、必然的に衿と半衿の両方を合わせることになります。そのため、衿と半衿の違いはよく意識しておくといいですよ。
〇衿合わせは右と左、どちらが前?
着物は衿が身頃まで続いていることから、洋服と違って左右対称の形をしています。
こういった構造上、着物の衿合わせは右前にも左前にもできるようになっていますが、着物の衿合わせで正しいのは右前です。
ちなみに「前」というのは先に合わせる方を意味します。そのため、右前は自分から見て右の衿が下になり、そこに左の衿を上に重ねる形となります。
右の衿が下になっていると右手を懐に入れやすいので、右前は右利きの人にとって便利な衿合わせですよ。
【3つの種類の衿】
着物の衿には広衿、撥衿(ばちえり)、棒衿の3種類があります。この3つの衿の違いは衿幅の寸法にあります。
最も衿幅が大きいのは広衿で、次に大きいのが撥衿、最も小さいのが棒衿です。
◯広衿
広衿は一般的な衿幅の2倍の幅で仕立てた、裏地のある衿です。
小紋を除く着物の多くは、広衿を採用しています。
広衿仕立ての着物を着る時は、衣紋という後ろ衿の部分を二つ折りにし、胸の前は自由な幅で二つ折りにします。
身体にぴったりと合わせることができるので、体型に関わらず胸がはだけるなどの着崩れを起こさずに済むのが特徴です。
◯撥衿(ばちえり)
撥衿は二つ折りの状態で仕立てた衿を指します。「撥衿」という名前は、その衿の形が三味線のバチに似ていることから来ています。
衣紋の衿幅が小さい分、首回りがすっきりとするのが特徴です。
薄くて広衿のように着付けのたびに二つ折りにする手間もないので、暑い季節に気軽に着れる和服に利用されます。
特に浴衣はほとんどの場合、撥衿が採用されます。
◯棒衿
棒衿はその名の通り、棒のようにまっすぐな衿のことで、撥衿のように二つ折りの状態で仕立てられます。
棒衿の着物はふっくらとした感じが出ないので、女性用の着物には用いられず、男性用か子供用の着物の衿にするのが基本です。
いかがでしたか?
衿の知識を知っていれば、着物を着るときに役立ちますし、着物に愛着も湧くはず。
基礎知識を知り、洋服のように和装も楽しみましょう。
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