初着(産着)を七五三で出来るだけ簡単に仕立て直す方法~女の子版~

KANEMATA お気に入り マイページ Login

着物の種類

コラム

初着(産着)を七五三で出来るだけ簡単に仕立て直す方法~女の子版~

  • 七五三
  • 2020.09.19

こんにちは。カネマタ衣裳店です。
お宮参りで使った初着(産着)を七五三でも使いたいという方は多いのではないでしょうか?
とはいえ、自分で仕立て直そうにも裁縫はそこまで得意じゃない。
専門のお店に頼むと結構高くついてしまいそう…それでも思い出の詰まった初着を七五三でも着せたい!
という頑張りたい親御さん向けに、使うために絶対にしてもらいたい部分だけまとめてみました。

今回はその女の子版です。
男の子版はこちら→初着(産着)を七五三で出来るだけ簡単に仕立て直す方法~男の子版~

縫い物がわりと苦手なスタッフを基準にしているのでハードルは低めなはずです。

※本来の仕立て直しを出来るだけ省いた超簡易版です。
※仕上がった着物は本来の仕立て直した形とは異なる部分があります。ご理解の上で、仕立て直しを行ってください。

産着の仕立て直しをネットレンタルでもお受けできるようになりました!

→【女の子用】産着・初着を七五三用着物へ仕立て直しプラン■注意事項必読■

商品ページの注意事項をお読みいただきご了承の上、お申し込みください。
ご注文前にLINEにてご相談もできます。サイズの測り方や加工についての疑問などお気軽にお問い合わせください。

LINEで相談レンタルできる振袖小物セット

画像をタップするとLINEの画面へ移動します

仕立て直した産着の着付け方はこちら→七五三用に仕立て直した初着(産着)の着せ方~女の子版~

産着の仕立て直しその①:袖を綴じる

女の子用産着を七五三用に仕立て直す方法(長襦袢の赤い付け袖外し)

女の子用産着を七五三用に仕立て直す方法(長襦袢の赤い付け袖外し)

◆襦袢の袖の中にある、赤色の付け袖を外します。

その分軽くなるのでお子様が楽に過ごせます

お宮参りで使った祝着の袖を綴じる作業。本来の仕立は袖口下を全て縫う

七五三用着物は袖から下が綴じられているので、初着も開いている袖を簡単に綴じていきます。

お宮参りで使った祝着の開いた袖を綴じる作業。二重取りがいい

糸は二重取りがオススメ。

お宮参りで使った祝着の袖を綴じる作業。本来の仕立は袖口下を全て縫う

◆上から15cmぐらいの所で袖を縫い綴じます。

二か所しておけばよく動く子でも安心。もう片方の袖もします。

長襦袢もした方がいいですが、見えないので省いてしまってOK
本当は15cm下全て綴じてしまった方がキレイに仕上がります。
余裕がある方は頑張ってみてください。

 

産着の仕立て直しその②:半衿をつける

七五三用の半衿付き襦袢とお宮参りの晴れ着用の半衿がない襦袢

七五三用の長襦袢(赤)のように産着の長襦袢(ピンク)も半衿(白地に赤の花柄の布部分)をつけていきます。

襦袢の肩部分を広げて赤い半衿と並べて撮った写真

◆まず半衿用のハギレを用意します。

大きさは約10×約45cmぐらい(衿幅の2倍×襦袢の紐から紐までの長さ)で、無地や細かい総柄がオススメです。
(端処理をきちんとする場合、約14~16×約48cm必要になります)

わずかですが見える部分なので、着物と色が被らない可愛らしい小さめの柄がいいと思います。

黒地に赤や白の桜刺繍がされた女児用半衿

子供用の刺繍入り半衿も販売されていますが、取付けの難易度が高いため縫い物が苦手な方は避けてください。)

 

産着の仕立て直しその②-①:端処理なしの超簡易的なやり方

※本来、必要な端処理を省いたやり方です。端処理ありのやり方はこの下に続きます。
※当店で半衿を取り付ける際は、端処理を必ずしています。

縫う前に生地の裏からアイロンをかけてシワを取る

◆アイロンをかけてシワを取り除きます。

長襦袢の肩を広げた状態で半衿を縫う

◆中心同士を合わせてマチ針で固定します。

一本取りの普通の波縫いでいいので端から縫っていきます。

長襦袢の肩を広げた状態で半衿を縫う

表に出る糸幅を少なくすると、仕上がりがキレイです。

女児用の無地半襟の裾を縫う様子

両端は2~3回繰り返し縫っておきます。

七五三女児用の長襦袢に無地半襟がついた様子

表側が縫い上がりました。

女児用の一つ身には必要な半襟付け。男児の場合不要

◆衿全体を包むように裏側も固定して、同じように縫っていきます。

女児用の一つ身には必要な半襟付け。男児の場合不要

これで半衿がつきました。

時間が経つと端がどうしてもほつれて来るので、ピンキングはさみや繊維を固める液剤などを使っておくと安心です。

 

産着の仕立て直しその②-②:端処理ありの正しい半衿のつけ方

(投稿者とは別のスタッフNさんが実際にお客様の襦袢に半衿をつけていたのを記録したものです。)

仕立て屋や呉服屋でも行う正式な半襟付けのやり方。半襟に折り目をつけている

◆端がほつれないように、長い方を約1.5cm、両端を約2~3cm裏へ折ります。

女の子用の赤地に小花柄の可愛らしい半襟。アイロンで折り目をつけている

◆アイロンで折り目をしっかりと付け、

半衿の両端がほつれないように折り返して手縫いしておく。

◆両端だけはざっくりと縫っておきます。(長い方はしません)

ピンク色の女の子用長襦袢の衿に半衿を固定していく。

◆折り目を付けた方を、表柄の襦袢の衿端に合わせ

長襦袢と半衿の位置を合わせて待ち針で仮止めしている。

◆中心から端へ向かって順番にマチ針を留めます。

お針子が半衿を端から縫っている様子。成人式の振袖なども同じやり方

表に糸を出さない「くけ縫い」だとよりキレイに仕上がります。

難しい場合は着用時に縫い目は見えないので波縫いでOK

ひっくり返して後ろ側の衿元を固定している様子

◆表側が縫い終われば、裏側へとひっくり返し

縫いやすいようにアイロンで折り目をつけている。刺繍衿なら位置に気を付けること

◆アイロンで折り目をつけます。

衿幅からはみ出る分は後ろ側(襦袢と半衿の間)へと折り込んで隠している様子

◆衿部分からはみ出る部分は隠すように内側へ折り込み、

お針子がマチ針で半衿を子供用の襦袢に固定している様子

◆アイロンで折り目をつけたらマチ針で固定していきます。

お針子が半衿を端から縫っている様子。成人式の振袖なども同じやり方

◆端から同じように縫って、半衿付け完成です!

 

産着の仕立て直しその③:肩上げをする

産着をお子様に羽織らせた状態で採寸兼肩上げ加工していく様子

◆お子さんに着物だけ着てもらいます(左右対称になるように)

肩上げのために手首が見えるまで産着をつまみ上げる様子

◆袖口が手の甲に届くぐらいの長さになるように、肩の真ん中で布地をつまみ上げます。

子供のお祝い用呉服を肩部分で安全ピンを使ってつまみ上げた様子

つまみ上げた部分をピンなどで留めます。

晴着の肩部分を折り目で開いて上から見た様子。肩上げをする時の指示が書き込まれている

◆開いて、肩の折り目を中心に10cmほど縫います。

この時、直線で縫うより少し弧を描くように縫うとキレイに仕上がります。
撮影だけなら安全ピンで留めただけでもOKです。

肩上げする時の注意点。袖の付け根の縫い目と上げ幅が左右対称になるように気を付けること

もう一方の肩も左右対称になるように、同じ位置で同じぐらいつまみ上げて縫ってください。

産着と襦袢を並べて袖幅を比べている画像。きものの方が少し長いことが分かる

◆長襦袢も肩上げします。

※長襦袢は必ず着物より幅が短くなるようにしてください。

襦袢半分に折って幅を比べている画像。肩上げの幅、袖の幅が左右対称なのがわかる

◆もう片方の袖も同じ長さになるように上げます。

肩上げの済んだ女の子用晴着と襦袢が重ねて置いてある画像。襦袢の方が一回り小さい

これで肩上げが出来ました。

ちなみに”肩上げ”とは、肩の生地をつまんで長さを短くすること。
何故わざわざ大きな着物を手間をかけて着るのか。
それは肩上げに「この子がまだまだ大きくなりますように」という願いが込められているからです。なのでサイズがピッタリでも必ずする必要があります

裄と着丈の測り方を図にしたもの

お子様に羽織ってもらわなくてもイラストの赤線で描かれた長さ(ゆき丈)を測り、その長さに縮めるやり方でもOK

 

産着の仕立て直しその④:腰上げをする

着付け師さんや美容室で仕度をする場合はしなくてもOK人によっては逆にやりにくくなってしまうこともありますので事前に確認しておくと安心です)
ご自身で着付ける場合は、着崩れしにくく紐が減るためお子さんが楽に過ごせるので上げておくのがオススメ出先で着崩れてしまっても簡単に直せます
縫う箇所が増えて大変ですが、もうひと頑張りです!

まず縫い上げる長さを調べます。

身丈=背中のぐりぐりからくるぶしまでの長さを採寸する様子

◆お子様に真っ直ぐ立ってもらい、後ろから
首のつけ根(背骨が飛び出た部分)からくるぶしまでの長さ(A)を測ります

測った長さが縫い上がった丈になります。

着物の裾から着丈や身丈を測る様子

◆今度は着物の丈(B)を測ります。

着物の丈の長さ(B)-お子さんの首からくるぶしまでの長さ(A)=縫い上げる長さ(C)となります。
(今回の場合は99cm(B)-74cm(A)=25cm(C)短くする必要があることに)

次は縫う位置と縫う幅を仮止めしてみます。

産着を七五三用に仕立て直す方法

◆脇(身八つ口)から3cm下を縫う位置とし、印をつけます。

◆次はそこから短くしたい長さの半分(Cの二分の一の長さ)の位置に印をつけます。

(今回の場合は25cm÷2=12.5cmに)

◆またそこから短くしたい長さの半分(Cの二分の一の長さ)の位置に印をつけます。
◆もう片方の脇でも測って同じ位置に印をつけます。

◆黄色い線の位置が折り山になるように、赤い線同士を重ね合わせます。

生地が重なった部分が今回のお端折りで上げ部分。

必ず被布からお端折りが見えないか確認してください。

◆脇から3cm下の生地が重なった部分を縫っていきます。(波縫いでOK)

表に出る糸を少なく縫うとキレイに仕上がります。

背中が終わると次は前を上げていきます。

◆平らなところに置いて、背中側の縫い上げをそのまま前に持ってきます。

産着の裾を撮った写真。下前は上前に隠れるように少し丈が短い

着た時下になる側(右袖側)は裾より少し短くなるようにしておくとよりキレイに。

着た時上になる逆側(左袖側)は裾と同じ長さでOK

紐下は普通に重ねるとズレてしまうので

◆裏側でタックをとって

◆ズレないように収めます。

縫う時もまとめて束にしておきます。

着物の腰上げが終わったところ

◆同じことを逆側(左袖側)でも長襦袢でもして、腰上げ完了です!

※襦袢の裾は着物より短くなるように多めに縫い上げてください。

 

実際に着せてみた状態・安心して欲しいポイント

愛知県半田市被布単品レンタル

被布単品No.1 ¥3,000

愛知県半田市被布単品レンタル

No.1

愛知県半田市被布単品レンタル

被布単品No.34 ¥4,000

愛知県半田市被布単品レンタル

No.34

愛知県半田市被布単品レンタル

被布単品No.13 ¥3,000

愛知県半田市被布単品レンタル

No.13

それぞれ当店の被布単品と組み合わせてみました。
産着の色に合わせて被布の色を選ぶのも楽しいと思います。

ご覧になってすでにお気づきかもしれませんが被布は縫上げをした肩部分、お腹部分が全て被布の下に隠れます
今回頑張って挑戦してみたけどキレイに出来なかったといった方も安心です。

産着を仕立て直した場合の女の子の着付け方はこちら→七五三用に仕立て直した初着(産着)の着せ方~女の子版~

 

まとめ

最低限、サイズが合っていて、しっかり縫い止まっていれば大丈夫です!

腰上げもしていればお出かけ途中に着崩れたとしても紐を締め直すだけで終わりますし、着物が地面を擦って汚す心配もありません
呉服屋さんや仕立て屋さんからは怒られそうなやり方ですが、お参りに使っていただけるはずです。
着せてあげたいけど裁縫に自信がない、近くに仕立てを頼める場所もないといったご家族の方、頑張ってみてください

ちなみにですが、カネマタでお受けした場合は縫い物全般を引き受けているベテランのお針子さんが担当しますのでご安心ください。

 

ネットで申し込む仕立て直しについて

(2021.4.13追記)

たくさんの方にこちらの記事をお読みいただいているようで誠にありがとうございます。
至らぬ部分も多いと思いますが、お力になれているなら幸いです。

何件かお客様からお問い合わせいただいたため、やり方の紹介だけでなく産着の仕立て直しをネットレンタルでもお受けできるようにしてみました!

→【女の子用】産着・初着を七五三用着物へ仕立て直しプラン■注意事項必読■

本来の仕立て直しとは異なり、袖口から下は開いたままで丸みをつける加工などがない形となります。

商品ページの注意事項をお読みいただきご了承の上、お申し込みください。
ご注文前にLINEにてご相談もできます。サイズの測り方や加工についての疑問などお気軽にお問い合わせください。

LINEで相談レンタルできる振袖小物セット

画像をタップするとLINEの画面へ移動します

 

3歳女の子用被布のフルセットレンタルはこちら→衣裳一覧

3歳女の子用三つ身フルセットレンタルはこちら→衣裳一覧

 

七五三コラムリンク一覧

 

〜SNSも随時更新中〜
フォローして頂くと最新の情報を見逃しません。
質問も受け付けています。

Instagram (振袖・卒業袴中心):kanemata20

Instagram(お宮参り・七五三・ブライダル):kanemata_isyouten

Twitter:@Kanemata_Isyou