【動画解説】七五三用に仕立て直した初着(産着)の着せ方~男の子版~

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【動画解説】七五三用に仕立て直した初着(産着)の着せ方~男の子版~

  • 七五三
  • 2020.07.26

こんにちは、カネマタ衣裳店です。
前回、初着を七五三用に仕立て直す方法をご紹介しました。→初着(産着)を七五三で出来るだけ簡単に仕立て直す方法~男の子版~

今回はその仕立て直した着物を着せる方法です。
せっかくここまでやったんだから、自分で着付けしてみようかなというご家族の方、チャレンジしてみてください。

 

七五三(男の子)の着付けを始める前に

 

お子さんには襟ぐりが前に深く開いた、UネックやVネックの肌着を着てもらいます。タンクトップとかで大丈夫です。

足袋は着物を着る前に履いておくとスムーズです。

胴に巻く補正のために半分に折られたタオル

フェイスタオルを細長く半分に折ってお腹を中心にぐるっと巻きます

男児代わりのトルソーの胴周りに補正用のタオルを引っかけた様子

背中側で端を片方に引っ掛けて落ちないようにしてくてください。

タオルがあることで紐が体に食い込むのを防ぐので、少し楽になるはずです。

 

七五三(男の子)の襦袢の着せ方

お子様代わりのトルソーに白い男の子用長襦袢を左右対称に羽織らせた後ろ姿

襦袢をまず、左右対称になるように羽織ります。

白い長襦袢の胸元にある紐を脇の身八つ口からくぐらせた画像

右衿の紐は、左の脇穴(身八つ口)から通します。

産着の左衿に付いている胸紐を後ろへ回す

それぞれの紐を背中で交差させます。

襦袢の合わせ目が体の中心になっているように気を付けてください。

紐を正面で締めて男の子用産着の襦袢を七五三として着せた様子

体の中心から少し左右どちらかにズラした位置で縛ります。

男の子用晴れ着の長じゅばんを七五三として着せた後ろ側。絞められた紐が交差している

お宮参りの晴れ着の長じゅばんを七五三として着付けた後ろ側。腰ひもを締めた上には苦しくならないようゆとりがある

背中側の紐上の生地を少し引っ張って、余裕を持たせておきます。

この緩みがあることで腕を上げたり下ろしたりがしやすくなります。

 

七五三(男の子)の着物の着せ方

お宮参りで使った黒い男児用着物を袖から順番に通す様子

襦袢の袖を通し忘れることがないように気を付けます。

襦袢と同様にお宮参りで使った着物も左右対称に羽織る

襦袢と同様、左右対称になるように羽織ります。

女の子とは違う男児用の無地半襟が七五三着物の衿元から見える様子

襦袢の衿が少し見えるぐらいで重ねます。

ここでも着物の合わせ目が、体の中心になっているように気を付けてください。

襦袢ときものの上から腰紐を締めた様子。結び目は衿の先

体の中心からズラした位置で紐を縛ります。

きついといけないので腰紐を締めた上を引きあげる

着物も紐上の生地を少し引っ張ってゆとりを持たせておきます。

長じゅばんときものの袖を重ねるように整える

襦袢と着物の袖がキレイに重なるように整えます。

肩上げなどで七五三着物として仕立てた長襦袢ときものを着付けた様子

これで着物が着せれました!

 

七五三(男の子)の帯の結び方

裾が擦らないように袴を胴体にあてて履く位置を探している様子

足の甲にギリギリつかない位置に、袴をまず当ててみます。(まだ履きません)

はかまを履くとちょうど帯が半分覗く位置で角帯を巻く

袴が来る位置の少し上で帯を巻き始めます。

帯が半分見えるぐらいでOK。ちなみに帯は縫い目がない方(輪)を下に巻きます。

背中で帯を巻く様子。成人女性の浴衣用帯と同じ結び方

右手側(手先)20cm程の位置で上に折り上げ固定します。

その上から左手側(垂れ)を、重ねながらぐるっと一周巻きます。

背中で角帯を結ぶ様子。成人女性の浴衣用帯と同じ結び方

背中に戻ってきた左手側(垂れ)と折り上げていた右手側(手先)を一回結びます。

この時、右手側(手先)が上、左手側(垂れ)が下になるように結んでください。

着付ける最中。袋帯を結ぶように垂れを左に倒し手先を持っている

下になった方(垂れ)を左へ倒し

着付ける最中。袋帯のように内側へ折り返しながら帯をたたむ

くるくるっと巻いていきます。

折りたたんだ帯を背中にあてている様子

背中の中心で15cmくらいの幅に調整し

振袖の結び方のように帯を折りたたみつまんでいる様子

摘まんでリボンの形にしたら

振袖の文庫結びと同じように折りたたんだ帯を手先でまとめる

上から手先を被せます。

振袖の帯結びとは違い手先を下からくぐらせる

そのまま下から上にくぐらせ

くぐらせた手先をもう一度上から被せる

もう一回被せます。

二回目はくぐらせずに巻いた帯の下へと通す。リボンの部分が固定されている

今度は帯の下へ通します。

通して余った角帯は巻きながら小さく折りたたみ結び目の下に枕替わりで差し込む

余った部分はくるくるっと巻いて

通して余った角帯は巻きながら小さく折りたたみ結び目の下に枕として差し込む

リボンの土台として帯の中に入れて仕舞います。

黒地に鷹柄の祝い着に金と白の七五三帯を蝶結びにした写真

これで帯の完成です!

帯はキレイにリボンの形にならなくても最終的に袴で見えなくなるので、緩くなければ大丈夫です。

 

七五三(男の子)の袴の履かせ方~前~

袴を床に輪状に広げて、お子さんに中に入ってもらいます。

長襦袢と着物の衿の合わせ目と袴の中心を揃えている様子

袴の真ん中のひだが体の中心になるように袴を当てます。

袴の前部分についたひもを背中側の帯結びに交差して引っかけている様子

前部分の紐を後ろへ持ってきて、帯のリボンの上で交差させます。

袴の前部分のひもを蝶結びの羽部分に交差して引っかけている様子

紐をリボンに引っ掛け前へ回します。

結び目に引っ掛けたひもを今度は前で交差して重ねる

向かって左側から来た紐が上になるように中心からやや右の位置で重ねます。

交差した紐を自然な手つきで上へ折り返す

そのまま左手を上へ上げ、紐を折り返します。

折り返した紐を最終的に帯結びの下で蝶結びして一旦完成

そのまま後ろ側のリボンの下で結びます。

着崩れ防止に脇の下で袴の紐を角帯の淵に引っ掛かるようにする 着崩れ防止に脇の位置で袴の紐を角帯の淵に引っ掛かるように重なりを調節する

この時、袴の紐が帯の下になるようにしておくと袴がずり上がってくるのを防止できます。

 

七五三(男の子)の袴の履かせ方~後ろ~

着崩れ防止に袴の腰板についたヘラを帯の結び目の根本に全て差し込む

袴の後ろにあるプラスチックの小さなヘラを、帯のリボンの上から差し込みます。(ヘラが全て収まるまで)

ヘラが無く紐やゴムがついている場合は、帯にくくり付けてください。
ここが袴がずり落ちてこないためのポイントです。

着崩れ防止にへらをしっかり差し込んだら腰板を起こし背中に添わせる

袴の固い部分(腰板)の根元をしっかり帯に食い込ませ、全体を背中にピタッと沿わせます。

腰板の紐を正面で先程の紐の下に通す。きものの上前と同じ側の紐が上になるように

紐を正面に持ってきて、前部分の紐の下に通します。(向かって右の紐が上になるように)

下前側の紐を上前側の紐ごと上へ持ち上げる

下になっている左の紐を上に持ち上げ

上から通して4本まとめて束ねる

上から通して、全ての紐を束ねます。

上前側の紐をこの後十字にするためにくるくる巻いていく

上前側の紐をこの後十字の結び目にするために巻いていく様子

今動かさなかった、左側に垂れている紐をくるくるっと巻いていきます。

巻いた紐を束ねた部分で一度固定する(袴の十字を作るため)

10cmくらいの幅に調節し、紐の交差しあった部分で固定します。

下前側の紐を下から上へ通して束ねる(十文字の結び方)

下に垂れていた紐を上から下へとくぐらせ、全ての紐を束ねます。

十文字の結び方。成人式や結婚式の男性の紋付き袴も同じやり方

もう一周したら通し切らずに、上へと折り返します。

紐を後ろへ折り返して十文字にしていく。祝い事用の結び方。喪服の時は一文字

上に出た紐を向こう側へ折り返し、十字になるように長さを調節します。

完成。十文字は祝い事用の結び方。喪服の時は一文字

(ここの十字の作り方は、着付け師さんによっては長さを見て違うやり方をする場合もあります。)

産着に肩上げや腰揚げをして三つ身にし袴を着せた状態の完成

これで袴が着付けできました!

 

七五三(男の子)の懐剣のさし方

帯と袴の間、正面より右寄りに懐剣は差し込む

帯と袴の間、正面より右寄りの位置に差し込みます。

懐剣は一度真っ直ぐ差し、少し下前側へ倒すと着崩れしにくい

真っ直ぐさした後、少し左へ倒すとキレイな仕上がりになります。

懐剣の房に巻かれた紙やビニールは必ず外す

新品やレンタル品には、紙やビニールが房に巻かれていることがあります。

※忘れずに取ってください。

お疲れ様でした。これで完成です!

 

七五三(男の子)の着付け終わった状態とお出かけ前のチェック

仕立て直したお宮参りの衣裳に七五三用の袴を着付けた完成写真。レンタルフルセットの三つ身四つ身と違い羽織がない仕立て直した衣裳に七五三用の袴を着付けた衿元近くの写真。レンタルセットの三つ身四つ身と違い羽織がない黒の正絹産着に袴を着付けた後ろ姿。フルセットでレンタルできる衣裳と違い羽織がない

最後に、袴が持ち上がりすぎて足袋の付け根が見えていないかだけチェックしてください。
後ろ側が特に帯の上に乗っかるので短くなりやすいです。

 

スタッフより

画像50枚を超える長い記事を、最後まで目を通していただきありがとうございます。
着付けをマスターするのに自分が新人時代に苦労したため、思わず細かく記載してしまいました。

着物が普段着ではなくなってしまった現代人には、着付けは簡単ではありません。
完成までたどり着けた方は、本当に凄いことだと思います。

お役に立てたなら幸いです。よき記念日になることを願っています。

 

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